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ドイツの学校教育【50%が筆記テスト50%が発言力】発言力を大事にする理由

ドイツの学校教育 ドイツ生活

ドイツ教育で一番大事なこと

それは【発言力】【自分の意見を持つ】ことです。

ドイツにくると一番最初に感じる【はっきりと自分の意見を言う】こと。
良くも悪くも日本人にとっては正反対の文化でもあります。

ドイツ教育で【発言力】を大事にしてきた背景

なぜドイツは教育の中で個々の【発言力】を大切にしてきたのでしょうか?

それは、1900年代に遡ります。誰もが知っているヒトラーによるホロコーストの時代です。
あの時代はヒトラーに誰もが反対できない時代でした。たとえ自分が白だと思っていても、党首が黒と言えば黒と答えるしかない時代です。そして突き進んだ先にあったものとは・・・

戦後に罪をおかした人たちは皆『指示をされたからやっただけ』という理由で、罪を逃れました。
今後そのような事が起こってはならないと考え、学校教育の中で『自分の頭で考えること、判断は自分ですること』を教えるようになりました。

ドイツでは子供のうちから【自分で考えること】と【提案、指示、命令されたことに対して自分が賛成するか】の判断する力を育てられます。

ドイツの子供はどのように育てられているか

ドイツでは自分がどう思っているのか、どうしたいのか、対立したときにどう解決するのかを小さな子供のうちから学んでいる気がします。

例えば、幼稚園でも小学校でも子供たちが遊んでいていて喧嘩なのか遊びなのか分からないときは、先生は介入しません。(命に関わるような危ないことは別)

私が子供を迎えにいくときによく見る光景は、先生たちはただ立って先生同士で話しているだけ。どちらかというと(日本人からすると)放任に近いように見えました。

子供たちの主張もはっきりしているので揉め事は日常茶飯事。とにかく遊び方がワイルド(激しいです)。
色んな国の人が住んでいるので、多文化社会だからこその現象かもしれません。子供たちは日々、自分の意見をぶつけ、失敗したり共有しあったりして【何が悪くて、何が良いことなのか】を学んでいます。

※問題があれば、学校にはソーシャルワーカーがいて(子供も保護者も)相談することができます。

私がドイツへ来て感じた、日本と違う部分は・・・

ドイツでは、こどもがやりたいことに対して心配だからやめさせると言うことがほぼない。

日本でよく見る場面→
✔️これしたら危ないからやめなさい!
✔️有り難うとむりやり言わせる

前者に関してはあるあるかな、と思いますが皆さんはどうでしょう?
私もはじめは『~ちゃんにぶつかるから気を付けなさい』『~ちゃんの家に行ったらこうしなさい』と言っていましたね。礼儀作法として日本人はそう育って来ていますからね。

後者も礼儀かと思いますが、今のわたしは半分半分です。なぜかというと、『有り難う』という気持ちを学ぶには自分が『有り難う』と思わなければ意味がないと思います。これが有り難うの場面だよと言われても、自分が有り難くなければそれはただの『作法』です。こどもは生活の中で【友達から、親から、先生から】有り難うを心で学ぶ気がします。ドイツ人でも作法として教えている人は沢山いますが、言わない子供も多く、それに対して親が強要することもありません。
これに関しては意見が別れる部分ですね。

ドイツでは、こどもだからと子供扱いせずに、大人も【子供の意見】を優先してものごとを決めることが多々見受けられます。

日本人が受けるドイツ教育のカルチャーショック

ドイツでで子育てをしていると、『これは注意した方がいいのでは?』と思う場面も多々あります。
『その遊び方は人を不快にさせるんじゃないかな』とか。もし我が子がしていたら間違いなく介入してしまいます(笑)

一例: 

3家族で遊んでいた
↓
あるパパが子供たちと遊んでた
↓
あるこどもが悪ふざけでそのパパに唾をかけた
↓
そのパパは注意だけをし、こどもが唾を吐くのをやめた

近くにいたその子の親は、唾をかけられたパパに対して特に謝らないし、
【その子遊んであげてたパパ】の問題として捉えている。

こういう構図はよく見ます。

その他にもあります。

あるドイツ人のママが話していてカルチャーショックを受けました。

内容は・・・

『~ちゃんがうちに遊びに来たんだけど、何でもかんでも私に許可を求めてきて驚いたの。冷蔵庫を開けたければ開ければ良いし、遊びたければそれで遊べば良いし、何でもやっていいかを聞くのよ!ちょっとお行儀が良すぎよね』

それを聞いたわたしは・・・

いや~、うちでいきなり冷蔵庫開けられたら嫌だな~と思いました。実際にうちに遊びにきた子供で勝手に冷蔵庫を開けたり、あるものを食べたりする子はいます。悪気はないし、ダメなら注意すればやらないので、対処は簡単ですが、、、ビックリしますよね。

皆さんはどうですか?
往々にして欧米では普通のようです。わたしはそこまで子供に対してうるさくはないですが、このママからすると我が子はお行儀が良すぎの部類に入るのかなと苦笑いでした。

【子供扱いしない】【やりたいことはやらせる】【自分の責任】に関係した例でした。
私の経験上で、みんながそうではないですよ!

発言力の種類

2年生から4年生になると、学年が上がれば上がるほど発言力を求められます。
4年生(10歳)では成績の50%を発言力が占めるそうです。

✔️授業で手をあげて発言する
✔️ある課題を元にプレゼンテーション
✔️詩などを暗記して発表する

あたりが入っている様子。

ドイツ教育では発言をしないと成績がさがる?

これが中学生から高校生になると、発言の中身が重要視されていくのだそう。
いくら毎回発言しても『中身の無い』内容なら意味がありません。

【なぜそう思うのか?だから自分はこう思う!】という自分の考えをまとめなくてはいけません。
ドイツ高校生の掲示板のようなサイトを見たことがありますが、リアルなことが書かれていて興味深いです。

例えば、ある高校生が『ペーパーテストで悪い点をとっちゃった!このままでは卒業できないかも。だからもっと発言して挽回するつもり!』と書いていて改めて発言力の大切さを知りました。

発言しない人はどう見られる?

ドイツでは職場で発言しない人を

✔️自分の仕事に自信がない

と捉えることが多いそうです。自分で考えて発言するドイツ人は自分の正当性を全面に出して話すので、たとえ間違っていても堂々としています。

日本では、女性だと『奥ゆかしい』ひと『協調性のある人』とどちらかというと美しい文化として捉えていませんか?自分が自分がと主張が強い文化は日本人には馴染みがないかもしれません。

発言力を得て育ったドイツ人

一言でいうと、議論が好きです。ディベートですかね?
昔ドイツの有名な週刊誌 Der Spiegelでこんなバナーがあります。

wenn sich alle einig sind, fangen wir an zu zweifeln

Der spiegel

『皆が同意すると、我々が疑い始める』

新しいプロジェクトに対して議論を始めるドイツ人らしいキャッチコピーです。

ドイツの赤ちゃんが一番始めに覚える言葉は『Nein!=NO』だそうです。

街中でよく見かけるドイツ人の姿・・・

✔️電車の中で知らない人同士が『時事トピック』について熱く議論しているとか。
✔️知らない人が間違ったことをしていたら『やめなさい!』という人が必ずいるとか。
✔️話し相手の事を思いやって自分の意見を言わないのはあり得ないとか。
家族・友人でもバンバン自分達の意見を言い合う。たとえ平行線だとしても『あなたはあなた、わたしはわたし』で受け入れる。

ドイツ教育で大事なことまとめ

今回はドイツでの発言の大切さについてのお話でした。

ドイツの学校教育/発言力で大切なこと2つ

✔️自分で考えること
✔️提案、命令されたときに自分が賛成するかの判断力をつける

でした。ドイツではよく【自己責任】という言葉を聞きますが、自分の意見に責任を持つというドイツならではの文化と言えます。他のヨーロッパの国では遠回しな言い方をしたりするそうですが、ヨーロッパの中でもドイツ人はダイレクトな人種だそうです。参考:japan consulting office

Noといえない日本人とNoを始めに覚えるドイツ人、正反対の文化でありながら友好関係を続けているにはきっと何か相通ずるものがあるのでしょう。

それではまた!Schönen Tag noch!

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