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ドイツの学校で起こっている【いじめ問題】についてのまとめ

ドイツ生活

ドイツ語でいじめ=Mobbingモビングと言います

在住センパイ
在住センパイ

グーテンターク。この記事を読まれている方はもしかしたら、お子さんをお持ちでこれからドイツへ引っ越す、もしくは既に住んでいてこの【いじめ問題】の渦中にいらっしゃる方かもしれません。

ユリコ
ユリコ

私はドイツ在住です。実は私の子供がたまに家で泣くことが有ります。学校でのお友達との関係で悩んでいるみたいですが、親からすると『よくある子供同士のけんか』にも見えるし、これをいじめと言っていいのか分かりません。

在住センパイ
在住センパイ

確かに、子供同士でよくあるその場かぎりのけんかという場合も有りますし、親としては子供の悩みをどうにか解決してあげたいですよね。

この記事では、データを元にドイツの子供達の【いじめ】の実態に迫ると共に、そのときにどうしたらいいのか?などをまとめています。今やネットいじめも横行している時代なのでより複雑化しているようですが、自分の子供が【加害者】または【被害者】になりうる事を踏まえると他人事とは思えませんね。少しでもこの記事が皆さんのお役に立ちますように。

いじめにあったことがある?

2019年にOECDが発表したPISA調査で、11,571名の子供と青年を対象に『どこでいじめにあったことがあるか?』のアンケートをとりました。

1番左の棒グラフ『学校内及び登校中』→ある30%、ない65%、わからない5%
真ん中棒グラフ『学校以外の自由時間に』→ある16%、ない78%、わからない5%
右の棒グラフ『インターネット/SNS』→ある14%、ない81%、わからない5%
UNICEFドイツ

学校内及び登校中と答えた子供が1番多く、約3人に1人が以前にいじめにあったことがあるという結果でした。またZeichen gegen Mobbing e.V.によるといじめの80%は教室(授業以外)で行われているそうです。

Springermedizinによると、いじめとは、被害者側による明らかな原因無しに発生し、次の3つの重要な基準によって仲間間の通常の社会的葛藤とは異なります

・いじめとは、攻撃的な行動または意図的な危害です。 
・いじめは、長期間にわたって繰り返し発生します。
 ・加害者と被害者の関係は、力の不均衡が特徴です。

では実際にどんないじめが多いのでしょうか?

いじめの種類

canva

言葉によるいじめ

・一般的な形態はクラスメイトによる嘲笑

2018年のドイツでは、15歳の生徒の20%以上が学校でいじめられることがよくありました。いじめの大部分は心理的なレベルでした。15歳の子供たちの13%が月に数回クラスメートに嘲笑され、不快な噂が10%に広がりました。15歳の5%は、身体的暴力を伴ういじめを経験しました。

引用:statista
また、暴力的ないじめが多くみられるのは主に8歳から14歳です
ユリコ
ユリコ

15歳の5人に1人が心理的ないじめを経験している、そして数回に渡り笑い者にされたことがあるは10人に1~2人ですって!思いの外多くないですか?

・嫌がるニックネームをつける、侮辱的なジェスチャーをするなど

ユリコ
ユリコ

例えば、肌の色や髪の色で本人が嫌がるニックネームをつけることってある気がします。しかも低学年においては周りの子達に悪気が無いこともあって悩むときがあります。

追記: 2022,3
じつは先日、我が子が半年にわたり言葉のいじめにあっていたことを知りました。
はじめのうちは、ただの遊びかくらいに思っていましたが、毎日となるとストレスです。
ある時、泣いてわたしに訴えて来たので、思いきって学校に迎えに行ったときに声をかけました。

怒るのではなく、『我が子とのあいだで問題はあるのか?』という質問です。
取り巻きの男の子は即座に『ごめんなさい、もうしない』と言ってくれましたが、リーダー肌の男の子は『ふん』と言った感じで鼻で笑いました。わたしのつたないドイツ語の訴えを笑ったのかもしれませんが、心臓が飛び出るくらい怖かったです。でもその次の日からいじめが少なくなり、ほとんど気にならない程になったので、あの時に勇気を出して話してよかったとおもいます。

これが果たして正解かはわかりませんが、学校の先生にいっても解決に至らなかったので仕方ない選択でした。こどもがいじめられてたら、、、いじめてたら、、、、もう考えるだけでも胃が痛くなります。

社会的ないじめ

・誰かを完全に無視する

・仲間の輪から故意的に除外する

身体的ないじめ

・誰かを押したり、叩いたり、蹴ったりする

・誰かを閉じ込める

・誰かからお金や物を盗む

ネットいじめ

・ネットでの誹謗中傷

・恥ずかしいビデオを撮ってネット上に流す

被害者の視点によるいじめの理由は

『自分の体について』が多い

いじめ後の自殺念慮

いじめを受けた子の18%が自殺を考えたことがあります。

絶対に避けてください!ここに匿名で無料で相談できるユースライフラインのURLをリンクしておきます

いじめの兆候となる可能性のある警告サイン(子供の場合)

何が起こったのかをよく説明せずに、破れた服、汚れた/濡れた服、壊れた本、または「紛失した」ものを持って帰宅する。

あざ、引っかき傷、擦り傷、または怪我があり、それらがどのように発生したかを合理的に説明することはできません。

クラスメートを家に連れて帰らず、放課後クラスメートと一緒に過ごすことはめったにありません。

学校を恐れているか、朝に学校に行くのを嫌がっているようです。

学校への「非論理的な」ルートを選択します。

学校への興味を失い、成績が低下します。

不幸である、落ち込んでいる、または落ち込んでいるように見える、または怒りと過敏性の突然の爆発を伴う気分のむらがある;

多くの場合、食欲不振、頭痛を伴うまたは腹痛に苦しんでいます;

悪夢を伴う落ち着きのない睡眠に苦しみ、睡眠中に泣く可能性があります。

お金を盗んだり、家族に追加のお金を要求したりします。

引用:springermedizin

こんなサインがあると、親としては心配になります。ドイツにはいじめの為の法律はあるのでしょうか?

いじめと法律

『いじめ』という言葉は刑法には載っていません

それは、いじめという定義によって行われる事柄は記載されていないという意味でです。
身体的暴力は禁止されている事が明白ですが、それ以外にも禁止されている行為が有ります。

禁止されている行為

侮辱・・・クラスメイト(や教師または大人)はあなたを侮辱してはいけません。例:あなたの体について醜いと言うこと等
誹謗中傷・・・誰かがあなたがしたことの真実も分からないまま、ネガティブに話し噂すること
ネットいじめ・・・誹謗中傷はネット上でも起こり得ます。そこで嫌がらせをすることです。これをドイツ語でサイバーモビングと言います。
脅迫・・・例:誰かがあなたに紙を渡し『静かにしろ、さもないと命が危ないぞ』と言うこと等
強制・・・例:あなたがやりたく無いのに、脅迫と暴力を使って無理やりやらせようとする行為

いじめられたらまず先生に相談

まずは、信頼できる先生に相談してください。多くの学校では、教師はいじめのトピックを教室で集中的に扱っています。したがって、クラスメートは、彼らの行動が法的な結果をもたらす可能性があることを知っておく必要があります。そして両親は校長と話し合う機会を設けてください。一緒に解決策を考えましょう。
もし、それがうまく機能しない場合は学校にいるソーシャルワーカーやカウンセリングセンターに相談してください。→ヘルプページへ

いじめ日記をつけてください

いじめられている日々の出来事を、辛いかもしれませんが、日付を入れて日記にしておいてください。

誰が、いつ、何をしたかなどなるべく詳しく記し、もし周りに誰かいれば代わりにどんな事が行われたかを確認することも出来ます。これは、もし民事裁判になったときにあなたを守る武器になります。なるべくいじめられた証拠となるものを収集して下さい。

加害者はどうなるか

未成年者が有罪判決を受けることは稀で、ほとんどの場合は更正を念頭に置いたコミュニティサービスを一定数するか、被害者に対する行動を振り替えるトレーニングコースを受けることです。なぜなら裁判所では、必ずしも厳しい刑罰が彼らの行動を変えるとは限らないと想定しており、まずは加害者が何をしたのかを理解することが重要だと考えているからです。

年少の子供が他者をいじめている場合、7歳以上の子供に対して民事訴訟を起こされる場合があります。親はその内容に対して子供が態度を変えることに署名しなければならず、それを拒否した場合は裁判所から直接子供に伝えることも出来ます。それでも従わない場合は、親が罰金を支払わなければならないケースもあります。

さいごに

いかがでしたか?ドイツは身体的ないじめ、日本は精神的ないじめが多いと勝手に想像していましたが、ドイツでも年齢が上がるにつれて精神的ないじめが多いということが分かりました。ネットにいつでも繋がる環境にある子供達は日常的にいじめに遭遇する可能性があることを示しています。実際にいじめを受けている事を知っていいる親は50%、教師だと30%というデータもあるそうです。子供が大きくなると、親との会話も減り、親が干渉しない領域に入っていきますが、そんな時こそしっかりと子供の様子に注意したいですね。

とにかく、子供たちには元気に学校で楽しい思い出を沢山作ってほしいです。

最後まで読んで頂き有り難うございました。この記事が少しでもお役に立てたら嬉しいです。

【参考資料】

:BMJ RightRelaxed

:SpringerMedizin

:Unicef ドイツ

:Statista

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